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ギークプラス、ミスミの東日本流通センターに最新GTPソリューション「PopPick」を導入

最終更新日:2025/10/20
公開日:2025/10/20

〜3,000万点超のピッキング作業における「歩行・取り違え」を大幅削減。変種変量でも「確実短納期」を実現するオペレーションの負担軽減~

株式会社ギークプラス(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:加藤 大和、以下「ギークプラス」)は、株式会社ミスミグループ本社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大野龍隆、以下「ミスミ」)の東日本流通センター(神奈川県川崎市)に、最新Goods-to-Person(以下「GTP」)※1ソリューション「PopPick」を導入し、想定の生産性向上が実証されたため76台と、8基のピッキングステーションおよび490台の保管棚の拡張導入を決定いたしました。取り扱い商品数3,000万点を超えるピッキング作業において、「歩行・取り違え」を大幅削減し、変種変量でも「確実短納期」を実現するミスミの物流オペレーションを自動化で支援してまいります。なお、本導入は両社間で実施したPoC(概念実証)での検証効果を経て、拡張導入に至りました。

※1:商品が作業者の所まで搬送され定点作業が可能なソリューション

ミスミの東日本流通センター稼働現場

■導入背景

ミスミは1963年の創業以来、「顧客時間価値」を最も重要な価値観に掲げ、日本および世界の「ものづくり」を裏方で支え続けてきました。インダストリアル・オートメーション(IA)※2現場で使用する製造副資材から消耗品まで、自社および他社ブランド品を合わせて約3,000万点の商品を製造・販売しています。製造現場では部品一つが欠けるだけで生産ライン全体が停止するため、必要な部品を「確実短納期」で供給することは、顧客の機会損失を防ぎ、時間価値の創出につながります。これまでの活動を通じて、顧客からは「ミスミが止まるとものづくりが止まる」と称されるほど、サプライチェーンにおいて大きな信頼を確立しています。

同社ではさらなる物流効率化を目指し、国内3拠点の倉庫自動化を推進する新たな専門部署を設立し、自動化システムの内製化や他社製品の導入検討を進めています。その一環として、多品種におよぶ微細な精密部品における倉庫内ピッキング作業の効率化のため、商品それぞれの特性に応じて画像または計量で自動認識を行う「デジタルピッキングカート」を自社開発・導入し、生産性とサービス品質が大幅に向上しています※3。同時に、ピッキング作業における「ものを取りに行く」という歩行負担の課題解決に向けた検討も進められていました。

こうした背景の中、複数の自動化ロボティクス企業との比較検討を通じて、ギークプラスの最新GTPソリューション「PopPick」のPoC実施に至りました。その結果、想定の効果が得られたため、「PopPick」72台と、7基のピッキングステーションおよび440台の保管棚の拡張導入が決定しました。商品が作業者の手元まで自動搬送されることで定点作業が可能になる他、コンテナ運搬による商品の取りこぼし防止や自動化システムによる高い正確性など、変種変量の中でも「確実短納期」が求められるミスミオペレーションの品質に適合できるカスタマイズ性の高さが評価されました。加えて、アンカー不要により企業成長に合わせた拡張・移転の柔軟性も導入の決め手となりました。

※2:製造分野において自動化ロボットやシステムを活用し、産業プロセスの自動化・省力化を推進する産業

※3:参照「全日本物流改善事例大会で「最優秀物流改善賞」を受賞」株式会社ミスミ

■ミスミでの今後の展開

現在、「PopPick」で搬送された商品を「デジタルピッキングカート」で識別する作業には、スタッフの手作業による対応が必要な中、今後は、両ソリューションの連携を強化することによる効率向上を検討しています。加えて、前後工程含めた倉庫内の自動化範囲を継続的に拡張し、さらなる自動化を推進してまいります。

■株式会社ミスミ 物流サービスグループ 物流技術開発室 自動化推進チーム
 チーフディレクター 鈴木 寿紀氏のコメント

日本の労働人口は年々減少傾向にある中、特に私たちが身を置く製造業や物流の人手不足は、事業継続に関わる深刻な問題です。その問題解決とともに、当社では人が付加価値の高い作業に集中できる環境整備も目的に、ロボティクスによる自動化・省人化を推進しています。従業員の負担軽減につながり、採用競争力の向上および離職率の低下にも貢献する重要な取り組みです。

加えて、近年はマーケットの変化がこれまで以上に激しさを増し、物流現場においても在庫量の最適化や入出荷キャパシティの調整といった変動への柔軟な対応が求められています。しかし、従来の固定設備型マテハン(マテリアルハンドリング)では、構造的な制約により設計値の変更が困難であり、変化スピードに対応しきれないという課題を抱えていました。

こうした背景のもと、この度、ギークプラス社が提供する次世代のマテハンソリューション「PopPick」の導入を視野に入れたPoCの実施に至りました。結果として、当初の期待を上回る生産性向上が実証され、さらに、レイアウト変更やシステムの段階的な拡張が容易であり、当社のビジネスに高い親和性を持つソリューションであると評価でき、安心して「PopPick」の本導入を決定できました。

当社が目指す自動化は、すべての工程をロボットや自動機に置き換える「完全自動化」ではありません。まずは、変種変量への対応を特長とするミスミ生産方式(MPS)に適応したロボティクスを導入し、各工程の「部分最適化」を進めます。将来的にはこれらの工程をデータで連携し、庫内オペレーションからサプライチェーン全体までを視野に「全体最適」を実現する構想です。本導入はその重要な第一歩であり、今後も自動化領域を拡大し、お客様への「確実短納期」をより高いレベルで実現してまいります。

■GTPソリューション「PopPick」とは

「PopPick」は保管効率と作業生産性を両立で向上させる最新GTP※4ソリューションです。防火シャッター直下まで対応する最大3.8メートルの高密度設計により、一般的な中軽量棚と比較し約2倍の保管効率が実現します。また、対象コンテナを引き出し作業員の手元まで自動搬送されるため、手作業のマニュアルオペレーションに比べ倉庫現場の生産性を飛躍的に高めます。
https://www.geekplus.jp/service/products/poppick/

※4:Goods-to-Person:商品が作業者の所まで搬送され定点作業が可能なソリューション

■ギークプラスについて

ギークプラスは2017年に創業。深刻化する人手不足と急拡大する物流需要の解決を図るため、自動化ロボット販売事業、ソフトウェア事業、フルフィルメント事業を展開しており、ハードウェアであるロボットとソフトウェアを組み合わせた次世代ロボティクス技術を活用し、新たな物流スタンダードの共創を目指しています。複数拠点間のデータ連携を可能にするソフトウェアを活かした、自動化ロボットのパフォーマンスを最大化するオペレーション構築を強みにしており、日本国内におけるロボット販売実績は4,000台強で業界トップクラスを誇ります。フルフィルメント事業においては、相模原と常総にLaaSセンターを開設し、最新の自動化ロボットを活用したフルフィルメントサービスを従量課金制で提供しています。

会社名:株式会社ギークプラス所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー26F
代表者:代表取締役CEO 加藤大和
事業内容:自動搬送ロボット(EVE)の販売・導入・保守サービス、
     物流関連のシステムソリューション提供
ウェブサイト:https://www.geekplus.jp/?lan=JP

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