過剰在庫はリスクだらけ?発生する原因や対処法を解説

最終更新日:2025/04/28
公開日:2025/04/28
目次

過剰在庫とは、需要を超えた在庫が倉庫に保管されている状態のことを指します。

過剰在庫には以下のようなリスクが存在します。

  • キャッシュフローの悪化
  • 不良在庫の増加と滞留
  • 追加コストの発生
  • 税負担の増加
  • 機会損失

適切な在庫管理を行うためには、倉庫の在庫管理の現状を把握し、過剰在庫を速やかに処分することが求められます。

本記事では、過剰在庫を抱える原因やリスク、適切な在庫管理のポイントを解説します。

また、過剰在庫の処分方法も紹介しますので、在庫管理でお悩みの方や、過剰在庫の対処にお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。

過剰在庫とは

過剰在庫とは、需要を超えた在庫が倉庫に保管されている状態を指します。

倉庫内に過剰在庫が発生すると、倉庫のスペースを圧迫するだけでなく、保管や維持にコストが発生し、商品が劣化した場合は不良在庫となる危険性があります。

過剰在庫の防止には、原因の特定と在庫管理の適正化が重要です。

また、過剰在庫と似た言葉に「余剰在庫」がありますが、倉庫内などに保管される余り(余剰)の在庫のことであり、過剰在庫と同義です。

過剰在庫を抱えてしまう4つの原因

過剰在庫は、主に以下の原因によって発生します。

  • 不適切な在庫管理
  • 曖昧な需要予測
  • 返品在庫の増加と滞留
  • 過剰な生産

それぞれの原因を詳しく解説します。

不適切な在庫管理

在庫管理が適切に行われていない場合、過剰在庫が発生する可能性があります。

以下が、不適切な在庫管理が発生する主な原因です。

商品の保管場所を明確に決められていない

在庫の保管場所を決めずに商品を管理していると、在庫管理が乱雑になります。

その結果、過剰な商品を発注をしてしまい、不要な在庫を抱えることになります。

商品の入出庫が適切に記録されていない

商品の入出庫の記録が正確でない場合、実際の在庫数と管理上の在庫数にズレが生じます。誤った在庫データに基づいて発注を行うことで、必要以上の商品の仕入れが行われることもあります。

このズレが在庫数の誤認につながり、過剰在庫が発生します。

在庫状況をリアルタイムで把握できていない

リアルタイムで在庫状況を確認できていないと、適切な発注判断ができず、過剰在庫のリスクが高まります。突発的な需要の増減に対応できないため、需要に対して過剰な数量を発注してしまうケースがあります。

定期的な棚卸が行われていない

定期的な棚卸が行われていないと、実際の在庫数と管理上のデータに差異が生じ、誤った在庫情報をもとに商品が発注されてしまいます。

在庫の状況を把握できないまま商品を管理をしていると、不要な在庫が蓄積し、過剰な在庫を抱えることになります。

適正在庫を把握できていない

適正在庫とは、欠品もせず、過剰在庫にもならない在庫数のことです。自社の適正在庫を正確に把握できていないと、需要に合った発注ができず過剰在庫を抱えるリスクが高まります。

需要予測や販売データの分析が不十分な場合、無駄な仕入れが発生し、結果的に過剰在庫につながります。

在庫管理が手作業で行われている

手作業の在庫管理は、数量のカウントミス・記入ミス・読み間違いといった、ヒューマンエラーを引き起こす可能性があります。

また、リアルタイムでの在庫確認が難しく、需要の変動に対応できずに過剰在庫が積み重なってしまうリスクもあります。

曖昧な需要予測

根拠のない予測によって需要以上の発注をしてしまい、過剰在庫を抱えるリスクが高まります。

市場のニーズや消費者の動向を見誤ると、商品の価値が低下し、販売量が減少する可能性もあります。

「トレンド商品だから」とデータを分析せずに大量に仕入れても、予想通りに売れず過剰在庫を発生してしまうことになります。

返品在庫の増加と滞留

返品在庫の増加と滞留も過剰在庫につながります。

返品された商品を適切に処理せず放置すると、倉庫のスペースが圧迫され、新たな商品の保管が難しくなり、在庫が滞留します。

誤発送や不良品などによる返送品は在庫の滞留にもつながるため、検品を徹底することで返品の発生を最小限に抑えることが可能です。

過剰生産

生産計画が需要に対して過剰な場合も、過剰在庫の原因になります。

例えば、以下のようなケースがあります。

  • 原価低減を目的として需要を無視し大量生産を行う
  • 新商品のニーズを過大評価し、市場動向を正確に把握できずに需要を見誤ったまま生産してしまう
  • 需要の変動が激しく、生産計画の調整が追いついていない
  • 生産現場と倉庫間で適切に情報共有が行われていない

過剰生産を避けるためには、需要予測を適切に行うほか、生産現場と倉庫間での情報共有を強化し、生産量を調整することが求められます。

過剰在庫で生じる5つのリスク

過剰在庫が生じてしまった場合、以下のようなリスクが発生します。

  • キャッシュフローの悪化
  • 不良在庫の増加
  • 追加コストの発生
  • 税負担の増加
  • 機会損失

5つのリスクについて、詳しく解説します。

キャッシュフローの悪化

在庫が売れない場合、仕入れ業者への支払い義務だけが残り、資金繰りが悪化するリスクが高まります。

在庫は現金で仕入れた資産であり、仕入れに使った資金が倉庫内で「眠った状態」になり、販売されるまで現金化されないため、自由に使える資金が減少します。

この状況がキャッシュフローの悪化につながり、特に、小規模事業者や中小企業では経営危機を引き起こす可能性があると言えるでしょう。

不良在庫の増加

商品需要が低下し品質が劣化すると、過剰在庫は不良在庫になる可能性があります。

不良在庫とは、長期間にわたり売れずに残っている在庫で、今後も通常の価格で販売できる見込みがない商品を指します。

以下のような商品が、不良在庫に該当します。

  • 過剰生産や発注ミスによる売れ残り
  • 流行遅れや型落ち品
  • 賞味期限・使用期限切れの商品
  • 品質基準を満たさず販売できない不良品や欠陥品

不良在庫の増加は、仕入れや管理コストの損失にもつながります。

追加コストの発生

過剰在庫の保管には追加コストが発生します。

例えば、過剰在庫の保管のために新たに倉庫を契約した場合は、倉庫の賃料が固定費としてかかります。

また、その在庫を整理・管理するためには、人件費も必要です。

さらには、在庫の移動や、不良在庫となった商品の処分にもコストが発生し、経営を圧迫する要因となります。

税負担の増加

過剰在庫が発生すると、企業の税負担が増加する可能性があります。

在庫は資産として扱われるため、期末在庫(決算日時点で企業が保有する在庫)が多いほど売上原価が減少し、売上総利益が増加します。

それに伴い、課税所得も増加することで、法人税の負担が大きくなることもあります。

また、在庫の増加により新たに倉庫を建設した場合は、固定資産税の負担が継続的に発生します。

機会損失

過剰在庫は倉庫のスペースを圧迫すると、売れ筋商品や新商品の仕入れや保管ができなくなるケースがあります。

その結果、需要の高い商品を適切なタイミングで市場に投入できず、機会損失につながるため注意が必要です。

過剰在庫になりやすい商品

過剰在庫になりやすい商品として、以下のようなものが挙げられます。

  • 季節性のある商品
  • トレンド商品
  • カラー・サイズ展開のある商品
  • 新商品
  • 競合の方が優位性のある商品

商品の特徴を解説します。

季節性のある商品

クリスマスや年末年始など季節性のある商品は、シーズンが終わると急速に需要が減少します。

「来年また販売すればいい」と考え在庫を保管するケースもありますが、トレンドの変化や商品の陳腐化により、売れ残るリスクが高まります。

さらに、長期間の保管によって品質が低下する可能性もあり、不良在庫となる恐れがあります。

トレンド商品

ファッションアイテムやガジェットのように、流行に左右される商品はトレンドが終わると急速に需要が低下しやすい傾向です。特に、人気のあるトレンド商品は短期間で消費されるため、販売時期を逃がすと一気に需要が減ります。

また、トレンド商品は流行に左右されるため競合他社も多く参入しており、需要に対する供給が過剰になることがあります。

そのため、販売計画を誤ると過剰在庫が残りやすくなります。

カラー・サイズ展開のある商品

カラーやサイズが複数展開されている商品は、特定のサイズや色が売れ残りやすい傾向です。例えば、極端に大きいサイズや小さいサイズ、人気のない色(例えば派手な色や季節外れの色など)は、消費者の需要に合わず、過剰在庫が発生しやすくなります。

そのため、過去の販売実績から売れ筋を把握し、適切な数量で発注することが重要です。

新商品

新商品は需要予測が難しく、発注量を誤る可能性があります。

新たに販売を開始する商品には過去の販売データが存在せず、売上の見込みを立てることが難しいためです。特に、新商品は最初の販売段階での市場の反応が読みにくく、初期段階で過剰に仕入れると、大量に売れ残ることがあります。そのため、新商品の発注は慎重に行い、需要に応じて追加発注をするなど段階的に在庫管理を行う必要があります。

競合の方が優位性のある商品

同じカテゴリーの商品であっても、競合他社が優位性を持っている場合、自社商品が十分に売れず、過剰在庫になるリスクがあります。競争力を維持するためには、商品自体の改善や競合との差別化を図るための企業戦略が必要です。

適切な在庫管理を行うための4つの手法

過剰在庫を防ぐには、以下の4つの手法が効果的です。

  • 自社の過剰在庫と適正在庫を把握する
  • 在庫のABC分析を行い、適切な発注を行う
  • 需要予測の精度を向上させる
  • システムを導入し、在庫状況をリアルタイムで把握する

4つの手法を具体的に解説します。

自社の過剰在庫と適正在庫を把握する

自社の過剰在庫(現状)と適正在庫(理想)を定量的に把握することで、在庫の管理方法や商品の発注方法を改善することができます。

過剰在庫は、「現在庫 – 適正在庫」によって求められます。

この計算により、どれだけの在庫が過剰であるのかが明確になります。仮に過剰在庫がある場合でも、適正な在庫数を把握していれば、在庫管理の改善に向けたアクションが取れるようになります。

さらに、在庫の回転率を把握することで、商品が適正に販売されているかを確認できます。

次の章では、適正在庫や在庫回転率の計算方法について解説します。

適正在庫の求め方

適正在庫は、「最大需要 × リードタイム + 安全在庫」で求められます。

まず、以下の内容を把握します。

  • 「平均需要」:1日あたりの平均販売数
  • 「リードタイム」:仕入れから販売までの期間(日数)
  • 「安全在庫」:欠品を防ぐために最低限保管しておく在庫量

なお、安全在庫は「(最大需要 × リードタイム) -( 平均需要 × リードタイム)で算出できます。

最大需要とは、特定の期間における最大の在庫消費量のことです。

例えば、

  • 1日あたりの平均販売数:10個
  • リードタイム:5日
  • 安全在庫:20個

このような場合、適正在庫は、(10 × 5) + 20 = 70個と算出できます。

在庫回転率の算出方法

在庫回転率は、在庫がどれくらいの速さで売れているかを示す指標です。

「在庫回転率 = 期間中の総出庫数 ÷ 期間中の平均在庫数」で算出できます。

この数字を算出する理由は、在庫回転率が低いと販売ペースが遅いことを表すため、過剰在庫が溜まりやすくなるからです。

適正在庫と在庫回転率を併せて確認することで、在庫の量と回転速度の両面から在庫状況を評価することが可能です。

在庫のABC分析を行い、適切な発注をする

適切な在庫管理には、在庫のABC分析を行うことも効果的です。

ABC分析とは、在庫を売上貢献度、利益率、在庫コスト、季節性といった指標を用いて分析し、優劣順にAランク、Bランク、Cランクに分類することで、管理戦略を最適化する在庫管理の手法です。

ランクに基づいた適切な管理を行うことで、無駄な発注を防ぎ、適切な在庫管理が実現できます。

ABC分析は以下の手順で行われます。

1. 商品データの収集

商品ごとの数量、価格、売上データ、利益率、在庫量、調達コストなどのデータを収集します。

2. 商品のランク付け

収集したデータに基づき、商品を売上貢献度、利益率、在庫コスト、季節性といった指標を用いて評価し、優劣順にAランク、Bランク、Cランクのいずれかに分類します。

3. 管理戦略の策定・実行

各ランクに適した管理戦略を策定・実行します。

Aランクの商品は売れ筋商品であるため、品切れを起こすことの無いように在庫を十分に確保し、Bランクの商品は在庫管理を通常通りに行い、Cランクの商品は在庫を最小限に抑えるようにします。

また、この在庫管理では、在庫のランクに適した発注を行うことも大切です。

以下に発注方法の例を挙げます。

定量発注方式:
在庫が一定量を下回った際に決められた量を発注する方法です。日用品や消耗品など、常に一定量の需要が見込まれるAランクの商品管理におすすめです。
発注点と発注量が事前に設定されているため、発注作業が簡素化され、人為的なミスを減らすことができます。
ただし、需要変動が大きい場合には、在庫過多や在庫不足が発生しやすいため注意が必要です。

定期発注方式:
あらかじめ設定した一定の間隔で発注を行う方法で、需要が変動しやすいCランクの商品管理におすすめです。
ただし、過剰発注や在庫切れが発生する可能性があるという点には注意が必要です。
そのため、在庫切れが発生した場合に備え、安全在庫を確保しておくことも大切です。

4. 効果検証

ABC分析に基づいた在庫管理の効果検証を行います。

売上、在庫レベル、利益率、顧客満足度などのデータを収集し、必要に応じて改善を行います。

ABC分析を活用することで、在庫管理が効率化し、キャッシュフローが改善されます。

需要予測の精度を向上させる

過剰在庫を発生させないためには、需要予測の精度を向上させる必要があります。

誤った需要予測は、過剰な発注・生産を引き起こす原因になります。

過去の販売データや季節変動、トレンドをしっかりと分析し、正確な需要を予測しましょう。

さらに、データに基づいて需要予測ができるシステムを導入すれば、より精度の高い需要予測が可能です。

商品に合わせて需要予測を組み合わせることで、在庫管理の効率化を図ることができます。以下に、需要予測の手法を紹介します。

移動平均法

移動平均法は、過去の一定期間のデータを基に売上や需要の平均値を計算し、次の予測値を導く手法です。

例えば、昨年の同シーズン3ヵ月の平均売上を算出することで、次月の需要を予測できます。直近のデータに基づいて予測を行うため、中期的な傾向の把握が可能です。

加重移動平均法

加重移動平均法は移動平均法の一種であり、最新のデータを重視して次の予測値を導く手法です。急激なトレンド変動や、最新の傾向を予測に反映させやすくなります。

指数平滑法

指数平滑法とは、過去の予測値と実際のデータ値を用いて時系列のデータから予測値を導く手法です。

より新しいデータに大きな重みを与えることで、最新の市場動向を反映した短期的な予測に適しています。

回帰分析法

回帰分析法とは、複数の要因(顧客数、天候、季節など)との因果関係を分析して次の予測値を導く手法です。

気温と売上など、関連度の高い要素が複数存在する場合に有効です。

多変量解析

多変量解析とは、複数の変数(季節、顧客層、マーケティング施策など)に関するデータを用いて、変数間の相互関連を分析し、次の予測値を導く手法です。

新しい店舗の売上予測や自社の強みを把握したい場合に有効です。

4.システムを導入し在庫状況をリアルタイムで把握する

在庫管理システムを導入することで、情報共有のミスや恣意的な発注、欠品の防止、過剰発注の防止が実現できます。

おすすめの在庫管理システムを紹介します。

おすすめの在庫管理システム①ZAICO

(出典:ZAICO

ZAICOは、クラウド型の在庫管理システムです。

スマホを使った在庫管理機能を備えており、ハンディターミナルなどの端末が不要です。

拠点ごとに閲覧情報を分けられます。

在庫が一定数を下回った際のアラート機能も搭載しており、常に適正在庫を把握できます。

【ZAICOがおすすめの企業】

  • 在庫管理を自動化したい
  • 発注作業を効率化したい
  • 棚卸の手間を省きたい
企業名株式会社ZAICO
住所山形県米沢市大字花沢331番地
電話番号050-5879-5786
URLhttps://www.zaico.co.jp/
費用基本料金
月額3,980円~

おすすめの在庫管理システム②アラジンオフィス

(出典:アラジンオフィス

アラジンオフィスはクラウド型の在庫管理システムで、各業種に必要な機能をパッケージ化して提供しています。

資材の不足や過剰を自動的に把握できるため、適正在庫維持が容易にです。カスタマイズなしで利用できるように、販売管理に必要な機能を豊富に搭載しています。

ハンディターミナルと連携することで、棚卸管理・入出荷検品・入出庫管理などの倉庫管理も可能です。

【アラジンオフィスがおすすめの企業】

  • 在庫管理システムを初めて導入する
  • 自社の業態に特化したシステムを探している
  • スモールスタートしたい
企業名株式会社アイル
住所大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪タワーB
電話番号06-6292-1170
URLhttps://www.ill.co.jp/
費用要問合せ

おすすめの在庫管理システム③COOOLa(クーラ)

(出典:COOOLa

COOOLaはクラウド型倉庫管理システムで、国内外問わず、幅広い分野での導入・運用実績があります。

従量課金制(サービスの利用量に応じて請求料金が変動する課金方式)が採用されており、無駄なコストをかけずに導入できます。

分析・レポート作成をリアルタイムで実現する「BIツール機能」や、カメラが画像で一括検品を行う「物流画像検品システム」などのオプションがあります。

また、さまざまな条件でのロケーション管理ができ、最大5階層(建屋、階層、列、連、段)の設定が可能です。ロケーション・商品ともに温度帯を設定でき、異なる温度帯への棚入を防ぎ、在庫管理の精度を高めることができます。

【COOOLaがおすすめの企業】

  • 操作性の高さを求めている
  • 商品を細かく管理したい
  • 不良在庫をすぐに特定したい
企業名株式会社ブライセン
住所東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー30F
電話番号03-6264-7221
URLhttps://www.brycen.co.jp/
費用初期費用と月額費用
月額費用については、利用する荷主の社数、出荷拠点数、月間の出荷伝票の明細行数に応じて課金

過剰在庫を解消するための4つの方法

過剰在庫は以下の方法で解消することができます。

  • セールやキャンペーンを実施する
  • 在庫買取の事業者を利用する
  • 在庫処分フリマサイト・オークションサイトに出品する
  • 廃棄処分する

過剰在庫を解消するための4つの方法を詳しく解説します。

セールやキャンペーンを実施する

過剰在庫を抱えたらセールやキャンペーンを実施して過剰在庫を売り切ることを検討しましょう。

例えば、セール価格の販売や、「2点購入すると3点目が無料」といったようなキャンペーンの実施が効果的です。

セールは不良在庫として廃棄するよりもいくらかの収入が発生するという点では、処分施策としてもっとも損失が少ない方法と言えます。

ただし、頻繁にセールやキャンペーンを実施すると、「よくセールをしているから、割引になったら買えばいい」といったように、顧客の買い控えを招く可能性もあるため、頻繁な実施には注意が必要です。

在庫買取の事業者を利用する

在庫を買い取ってくれる専門の事業者を利用する方法もあります。売れ残った在庫を買い取ってもらうことが可能ですが、

買い取り価格はほとんど利益が出ない可能性があるため、「セールでも売れず、このままでは廃棄しなければならない」といった状況での利用がおすすめです。

また、在庫がどの市場に流通するか分からないこともあるため、企業ブランドを損なわないよう、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。

そのため、買取後の販路を指定できるかも事前に確認しておきましょう。

おすすめの在庫買取サービス①キンブル

(出典:キンブル

キンブルは、創業70年以上の実績を持ち、年間5,000万点以上の在庫買取実績がある在庫買取・在庫処分サービスです。

東京・大阪・名古屋を中心に全国対応しており、大手企業や官公庁との取引実績も多数あります。

不良在庫や過剰在庫、訳あり品などを即現金化できます。

キンブルでは、在庫買取専任の担当者が商品の内容をヒアリング後、商品回収をスムーズに提案・手配し、最短で問い合わせ翌日に現地の商品を回収します。

倉庫を埋め尽くす大量の在庫品でも、自社便・チャーター便により、倉庫や店舗から速やかに商品を引き取り、現金買取を行ってくれます。

直営で大型リサイクルショップを4店舗運営しているため、訳あり品・返品・ダメージ品などのB品在庫の買取も得意としています。

家電、アパレル、食品、生活雑貨、大型家具・家電、ペット用品、スポーツ用品など、幅広い品目の在庫を取り扱っています。

自社直営の大型リサイクルショップを運営しているため、商品を高く買い取ってもらえます。

【キンブルがおすすめの企業】

  • セール後・カット品の不良在庫を処分したい
  • 期限が迫っている在庫を買取して欲しい
  • 決算前・棚卸し前で倉庫在庫をすぐ現金化したい
企業名株式会社キンブル
住所愛知県名古屋市昭和区御器所通1丁目6−3
電話番号0561-76-1450
URLhttps://kimble.co.jp/

おすすめの在庫買取サービス②在庫管理110番「もったいないマッチング」

(出典:在庫管理110番

在庫管理110番の「もったいないマッチング」は、不良在庫や過剰在庫を抱える企業に、在庫買取・処分事業者を紹介するサービスです。

工場の機械・設備、部品、食品(生鮮食品を除く)、医療品・医療機器など、幅広い品目の在庫を取り扱っています。

長期間倉庫に眠っている部品や販売されていない商品在庫を、迅速に現金化することができます。

また、競合他社や特定の販路を避けて在庫を提供するなど、NG販路を指定することも可能です。

誰でもできる在庫管理の仕組み作りを重視しており、特定の人に依存しない管理体制の構築をサポートしています。

【在庫管理が110番がおすすめの企業】

  • 廃番や期限切れ品を抱えている
  • 不特定多数の一般顧客向けに出品したくない
  • 商品の特性上、NG販路がある
企業名瀬戸内scm株式会社
住所〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目36−1
電話番号050-6877-6022
URLhttps://shikumika.com/

在庫処分フリマサイト・オークションサイトに出品する

在庫フリマサイト・オークションサイトとは、企業や個人事業主が抱える過剰在庫や不良在庫を出品し売買できるオンラインプラットフォームです。

在庫処分フリマサイトやオークションサイトでは、企業が処分したい在庫を出品し、ることで、購入者と直接売買取引を行うことができます。

食品、アパレル、家電などジャンルを問わずさまざまな商品を出品できるため、幅広い業界で活用されています。

在庫フリマサイトでは自社で売却金額を設定することが多いため、買取額の相場をチェックした上で、適正な買取額を設定することが重要です。また、購入者との直接の取引になるため、詳細な在庫商品情報の登録や、売却後の在庫商品移動の手配、決済などすべて自社で対応する必要があります。

おすすめの在庫処分フリマ・オークションサイト①メルカリShops

(出典:メルカリShops

メルカリShopsは、フリマアプリ「メルカリ」が提供する法人・個人事業主向けのECプラットフォームです。

メルカリのユーザー基盤を活かしながら、誰でも簡単にネットショップを開設し、商品を販売できるのが特徴で、特に在庫を持つ小売業者やメーカーにとって、新たな販路として活用しやすい仕組みが整っています。

初期費用や月額固定費がかからず、売上に応じた販売手数料(10%)のみで運営できるため、気軽に始められ、スマホだけで出品・管理が可能なため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

また、メルカリ利用者(約2,200万人以上)がそのままショップの顧客候補になるため、集客コストを抑えながら販売できます。

フリマ感覚で購入できるため、新規顧客のハードルが低い点もメリットです。

【メルカリShopsがおすすめの企業】

  • 買い手に対して積極的にアプローチしたい
  • 海外にも販路を拡大したい
  • 固定費を抑えながら過剰在庫を売却したい
企業名株式会社メルカリ
住所東京都港区六本木6丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー18F
電話番号050-3185-6685
URLhttps://about.mercari.com/
費用販売手数料(売上金の10%)

おすすめの在庫処分フリマ・オークションサイト②NETSEA

(出典:NETSEA

NETSEA(ネッシー)は、メーカーや卸売業者が小売業者や個人事業主向けに商品を販売できる、BtoB(企業間取引)向けの仕入れサイトです。一般消費者向けのECサイトとは異なり、事業者専用のマーケットプレイスとして運営されており、登録した企業や個人事業主のみが商品を仕入れられます。

取引はすべてオンライン上で完結し、特定の卸業者との契約なしに、気軽に売却が可能です。ただし、買い取ってもらう際には要望をしっかり固める必要はあり、条件が合わずスムーズに売れない場合もあります。

【NETSEAがおすすめの企業】

  • 一度の取引で大量の在庫をまとめて処分したい
  • 手数料を抑えながら収益化したい
  • 一般消費者ではなく法人バイヤーに販売したい
企業名株式会社 SynaBiz
住所東京都品川区北品川5丁目1番18号住友不動産大崎ツインビル東館7F
電話番号03-6416-0931
URLhttps://www.netsea.jp/
費用月会費:22,000円(税込)
成約手数料:
・クレジットカード決済、後払い、PayPal:10%
・銀行振込、代金引換:8%

廃棄処分する

廃棄処分は、売れない、買い取ってもらえない商品の最終的な手段です。

処分にはコストがかかるものの、過剰在庫を抱え続けることはキャッシュフローの悪化や税負担の増加、機会損失といったリスクがあるため、他の選択肢が取れない場合は速やかに処分を決断することが重要です。

処分費用は、商品の種類や数量によって大きく変動します。

一般的な相場は以下のとおりです。

小規模な在庫(1パレット程度):5,000円~3万円程度

大規模な在庫(4パレット以上):10万円以上

なお、買取可能な商品であれば、廃棄処分の際に買い取ってもらえることもあり、収入が得られる可能性もあるため、廃棄前に買い取りの可否を確認することも重要です。

まとめ:過剰在庫を抱えないためには在庫状況の可視化と正確な需要予測が重要

過剰在庫は、キャッシュフローの悪化や不良在庫の増加、追加コストの発生、機会損失など、企業にさまざまなリスクをもたらします。

そのため、適切な在庫管理を行い、過剰在庫を未然に防ぐことが重要です。

在庫管理のポイントは、現在の在庫状況と理想の在庫数を把握し、需要予測の精度を向上させることが挙げられます。

また、リアルタイムで在庫状況を確認できるシステムを導入し、在庫の過不足を適切に調整することも効果的です。

すでに過剰在庫が発生している場合は、セールやキャンペーンの実施、在庫買取業者の利用、フリマサイトやオークションサイトでの販売などを検討し、速やかに処分を進めましょう。

それでも処分が難しい場合は、廃棄も選択肢の一つとなります。

過剰在庫を放置すると、企業の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。

市場の動向を注視しながら常に最適な在庫数を維持することが、経営の安定につながります。